Snowflakeについて、「安い！早い！便利！」という評判を耳にすることがあるかと思います。

しかし、Snowflake社のホームページに公開されている価格ガイドでは、ピンとこない方も少なくないのではないでしょうか？

そこで本ブログ記事では、Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組みや、コストパフォーマンス良く使いこなすためのポイントをわかりやすく解説します。

本ブログの要点

• Snowflakeの価格体系はストレージとコンピュート利用量に応じて課金される従量課金モデル
• 事前に試算した利用枠を購入し、使った分だけ枠が消費されていく
• 単価は エディション と クラウド環境（AWS/Azure/GCP） によって変動
• Snowflakeは秒単位の「使った分だけ」の課金
• 利用しない時間にはコンピュートの性能を下げておくことで、コストコントロールが可能
• 運用に合わせたきめ細やかな調整がコスト最適化のポイント

Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組み ①クレジットとは？

Snowflakeの料金体系は、「ストレージ」と「コンピュート」の利用量に基づく従量課金モデルです。
Snowflakeのご利用にあたっては、年間の「キャパシティ契約」を結んでいただくところからはじまります。
ご契約前に1年間でどのくらいの利用するかを試算し、利用枠を事前購入、使った分だけ利用枠が消費されていくような流れです。

ストレージ

1TB/月あたりの「ストレージ単価」が設定されています。
ストレージに蓄積されたデータ量に応じて、毎月利用枠が消費されます。
なお、Snowflake独自のデータ圧縮技術により、実際のデータ量よりも抑えた形で格納することができるのも一つの特徴です。

コンピュート

Snowflakeのコンピュート利用料を表す単位として使われるのが、「Credit（クレジット）」です。
Snowflakeは、「マルチクラスタコンピューティング」の技術により、データ連携・加工・集計といった様々なデータ処理が独立して動きます。それぞれの役割に対して、ユーザーが処理性能を自由に選択することが可能です。
主なポイントは以下の通りです。

• Snowflakeのコンピュート利用料は「Credit（クレジット）」と呼ばれる単位で計算される
• 用途に合わせてXS〜6XLのTシャツモデル（洋服のサイズと同じ考え方）で定義されたメニューを選択
• XSサイズを1時間利用＝1Credit
• 価格表に定義された「Credit単価」との掛け算により、毎月のデータ処理に応じて、毎月利用枠が消費される
• ウェアハウスは、実行している間のCredit（クレジット）使用状況のみが請求対象となり、ウェアハウスを一時停止するとCredit（クレジット）は使用されない

＜仮想ウェアハウスのサイズ表＞

＊5XL および 6XL 仮想ウェアハウスのサイズはプレビューです

Snowflakeの価格体系・料金計算の仕組み ②エディションと稼働環境（AWS / Azure / GCP）

前章で記載したストレージ単価とCredit（クレジット）単価は、主に「エディション」と「稼働する環境」によって決められます。

Snowflakeの4つのエディション

Snowflakeはサービスレベルに応じて4種類のエディションを提供しています。
Snowflakeの価格は、利用するエディションによっても変動します。

• スタンダード
• エンタープライズ
• ビジネスクリティカル
• バーチャルプライベートSNOWFLAKE（VPS）

Snowflakeが稼働する環境

Snowflakeは世界中のAmazon Web Services（AWS）、Microsoft Azure（Azure）、Google Cloud Platform（GCP）上で稼働するマルチクラウドのSaaS型サービスです。
、日本のリージョンは以下で提供されており、利用環境の選択によって価格が変動します。

• AWS（東京リージョン・大阪リージョン）
• Azure（東京リージョン）
  ＊最新の単価はSnowflake社のWebページ（オンライン申請で閲覧可能）をご確認ください。

Snowflakeをコストパフォーマンス良く使いこなすには？

ここまで料金体系の仕組みを説明してきましたが、Snowflakeのコスト最適化のポイントは従量課金型を活かした「時間帯ごとの使い分け」です。

前章で、利用したコンピュートのサイズと時間に応じてCredit（クレジット）が消費される＝「従量課金型」の価格体系である旨を解説しましたが、これはつまり、「秒単位で使った分だけ支払う」ことができる、ということを意味します。

＊上記＜仮想ウェアハウスのサイズ表＞に記載のCredit（クレジット）の数は1時間の使用量ですが、Credit（クレジット）は最低60秒で、1秒ごとにご請求となります。
詳細は、Snowflake社のWebサイト（https://docs.snowflake.com/ja/user-guide/cost-understanding-compute.html ）をご確認ください。

Snowflakeが「従量課金型」であることを活用することこそ、Snowflakeをコストパフォーマンス良く使いこなすポイントとなります。

営業部門のBI利用ピークが平日日中に集中する場合

利用拠点が国内に集中する場合、平日日中帯のビジネスアワーに利用が集中すると考えられます。

• 利用が多い平日日中帯 → 大きめのサイズ
• 利用が少ない平日夜間帯や休日 → 小さめサイズ or 停止

営業部門のBI利用が平日日中に集中する場合は、利用時間帯に合わせてウェアハウスのサイズを調整することでコストを最適化できます。

バッチ処理を夜間に行う場合

データ連携のシーンでは、バッチ処理によるデータ取り込みが営業時間外の早朝や夜間に集中するケースが多く見られます。

• 処理が走る時間帯 → ピークを設定し、コンピュートを起動・拡張する
• 処理が終わる時間帯 → ウェアハウスの性能を下げる or 停止する

夜間にバッチ処理が行われる場合は、処理が実行される時間だけウェアハウスを拡張し、終了後に縮小・停止することでコストを抑えられます。

このように、24時間365日全体で見ると、きめ細やかなコントロールを積み重ねることで総コストが節約できるのです。

※自社の利用パターンに合わせた最適な設定方法など、より具体的なご相談は、Snowflakeコンサルタントまでお声掛けください。

まとめ

本記事では、Snowflakeの料金体系について

• ストレージ利用量
• コンピュート（Credit）
• エディション
• 稼働クラウド環境
• コスト最適化のポイント

を中心に解説してまいりました。

Snowflakeは珍しい料金体系を取るサービスですので、本記事が理解の一助になれば幸いです。Snowflakeの導入検討にあたっては、技術的な検証に加え、コスト試算も必要かと思います。

電通総研では、現行システムの利用状況や、利用用途/目的をお伺いしながら、ご契約前に必要となるキャパシティの量を試算するお手伝いもしております。
Snowflakeのコスト試算でお悩みの場合は、是非、電通総研までお声掛けください！
https://itsol.dentsusoken.com/snowflake/inquiry/

＊本記事は、2025年11月25日時点の情報を基に作成しています。
製品・サービスに関する詳細は、電通総研のWebサイトからお問い合わせください。